Track Symbiosis

Total Bundle 1年ライセンス
概要
Track Symbiosisはミックス向けダッキングツールです。「ダッキング」のダック(duck)は英語で「屈む」という意味で、ミックスでは「他のパートの音量が大きくなったとき自身の音量を下げる」処理を指します。
音量を下げたいパートにTrack Symbiosisを立ち上げ、目立たせたいパート (例: ボーカル、キック等) をTrack Symbiosisのサイドチェーンに入力することで、目立たせたいパートが発音している区間のみ正確に音量を下げることができます。また、プラグインパラメータを調整することで、パート同士の接合度を容易に微調整できます。
右図はダッキングの概念図です。上半分はダッキングを使わないミックスで、2つのパートの波形が単純にミックスされています。下半分はダッキングを使ったミックスで、下パートの発音タイミングで上パートを減衰させてからミックスしています。
ダッキングの主な用途としては、
- 番組制作等で、出演者の発言に合わせてBGM音量を下げる
- ダンスミュージックの制作で、バスドラム(キック)の発音に合わせてベースの音量を下げる
- 一般的な楽曲ミックス作業で、各パートの混ざり方を調整したり、時間軸での棲み分けを行う
といったものがあります。上記のうち(1)(2)の用途についてはTrack Symbiosisの主要な設計目標ではないため、他の道具を使ったほうが良い結果を得られるかもしれません。
他方、(3)の用途については、一般的なサイドチェーン・コンプレッサーでは「速い立ち上がりに対応できない」「余分な減衰が多く、パートが分離しすぎる」「調整が繊細かつ面倒」といった多くの問題がありました。Track Symbiosisはそのような問題を解決するツールです。
Track Symbiosisで各パートを時間方向での棲み分けすることで、下記のようなミックス上の問題をうまく解決できるようになります。
- イコライザーで周波数方向でのパート棲み分けをしていたが、そのイコライジングが原因で全体のトーナルバランスが崩れる
- コンプレッサーでエンベロープ調整をしていたが、副作用で演奏のニュアンスが変わってしまう
- 暗い音色を目立たせるためには単純に音量を上げるしかないが、パート間の音量バランスが崩れてしまう
- サイドチェーン・コンプレッサーでは過剰に減衰させたりポンピングしてしまい、また設定の手間も多い
機能・特徴
- 正確かつ微調整可能なエンベロープ検出とダッキング処理
- 3種類のエンベロープ検出アルゴリズムを複合使用
- ソフトクリップによるエンベロープ加工
- リダクション適用で発生するノイズを低減するオプション
- サイドチェーンチャンネル選択
- 見やすい情報表示
本プラグインはプラグイン規格のサイドチェーン機能を前提としているため、VST2版はありません。
デモ動画
内部ブロック図
開発履歴 (主な変更点)
- Version 1.16.0 (2023-03-12)
- 初版
共通仕様
対応OS
- Windows 10 21H2 / 22H2 (64bitのみ)
- Windows 11 21H2 / 22H2
- macOS Mojave 10.14 (64bitのみ)
- macOS Catalina 10.15
- macOS Big Sur 11
- macOS Monterey 12
- macOS Ventura 13
CPU
- SSE3命令セットに対応したx64互換 64bit CPU
- Apple Silicon Mac
対応プラグインフォーマット
VST2, VST3, Audio Unit, AAX-Native, CLAP
対応ホスト
共通機能
- サンプルレート 44.1k - 384kHz対応
- 内部64bit浮動小数点演算
- プラグインレイテンシ補償
- ファクトリープリセット
- スナップショット機能 (旧・A/B比較機能)
- Undo/Redo
- パラメータリセット機能